2020年11月8日に、立皇嗣の礼が行われました。秋篠宮さまが皇位継承順位で1位(皇嗣)であることを内外に示す式典です。秋篠宮さまの凛々しい姿も素敵でしたが、秋篠宮妃をはじめ内親王のドレス姿も華やかでした。とくにきらめくティアラの輝きは気になりますね。
みなさん違った形のティアラをなさっていますし、皇室のティアラに興味津々。
ティアラは明治時代か代々受け継がれている貴重なもので、最近作成のティアラは価格も公表されているようですよ。
明治時代から皇室にティアラが必要になった
明治時代初期、伊藤博文が宮中の服と儀式を国際化したいと考え、明治19年に「婦人服制」を定めます。
この婦人服制に「女子の大礼服はマント・ド・クール、中礼服はローブ・デコルテ、小礼服はローブ・ミーデコルテ、そして通常礼服はローブ・モンタント」とあり、そこにティアラと首飾りが欠かせないということになったのですね。
皇室のティアラにはどんな種類があるの?
※第一ティアラ
「婦人服制」が定められた翌年の明治20年、政府はベルリンのレオンハード&フィーゲルにティアラの製作を発注します。明治天皇のお妃昭憲皇后のために作られ、現在にも引き継がれている第一ティアラと呼ばれるものです。
ダイヤモンドを60個以上使ったもので、天照大神をモチーフにした太陽(星)の飾りは取り外しができるようになっています。この太陽の飾りの中央にあるダイヤモンドは世界で13番めに大きいものなんですって!
※第二ティアラ
日本国内で製作したのは、大正天皇御即位にちなんでミキモトが1915年製作し、代々受け継がれているティアラです。デザインは菊をモチーフにしています。ミキモトは現在までに皇室のティアラを20個近く製作しています。第二ティアラと呼ばれています。
※第三ティアラ
そしてもう一つ、現在の上皇后さまが皇后時代に秩父宮勢津子さまから頂いた第三ティアラもあります。パルメットのティアラとも呼ばれています。こちらもミキモト製だそうです。
※その他にも
現在では、女性皇族が成人になると新たにティアラを製作したり、リメイクしたりしています。平成15年以降、製作業者は公募入札となっています。皇室全体では20個ほどのティアラがあると言われています。
ちなみに、これらのティアラの使い分けは決まっていないようです。雅子さまは即位に伴う儀式ではすべて第一ティアラでしたが、饗宴の儀では第二ティアラをお使いでした。
ティアラの価格って?
第一から第三のティアラの価格はさすがに公表されていません。
しかし、それ以外のティアラは入札で製作していることもあり、価格がわかっています。
今回の立皇嗣でお出ましになった秋篠宮家眞子さまのティアラは2011年、和光が落札したもので2,856万円。佳子さまのティアラはミキモトが落札し、2,892万円だそうです。
ちなみにティアラは公務の必要経費として「宮廷費」から支払われています。私物ではなく国有財産なのですね。女性皇族がご結婚なさって、皇族を離れた時は、国に返還されます。
ダイヤモンドの価値ってなにで決まるの?
どのティアラも煌めくダイヤモンドが素敵な輝きを放っていますね。
ちなみにダイヤモンドの価値は、「 重さ」、「輝き」、「 色」、「透明度」で決まるそうです。
カットの仕方で輝きが変わってきますし、無色で透明度が高いほど、ダイヤモンド特有の輝きを放つのですね。
なかなか皇室のティアラを身近で見ることはないのですが、その輝きや透明度も、最高級なものに違いありません。
まとめ
ティアラは私たちでも「特別な時」にしか使わないものですが、皇室にとっても特別な意味のあるアイテムのようですね。
これからもさまざまな宮中行事や国際的な行事で正装なさる時のティアラに、ますます芽が離せなくなりましたね。