映画館でポップコーンはうるさいのに、なぜ食べる?

雑学

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シリアスなシーンで、静寂の中に響きわたる「・・・ボリ、ボリ、ボリ」

映画の雰囲気を台無しにするのが「ポップコーン」です。

なぜこんな事になってしまうのでしょう。

・映画館ではポップコーンを食べるな!という意見

・映画+ポップコーンはセットなので、食べたい。という意見

・映画館側から見たポップコーン販売

以上、3つの視点から見ていきたいと思います。

映画館でポップコーンは、うるさいからやめてくれ!

映画館でポップコーンを食べる音が気になる人はやはり多いです。

映画を楽しみみして来ているのに、他人の租借音を聞かなければならないのは辛いものがありますね。

しかも一度気になり始めてしまったら最後です。

もう気になって気になって、映画の内容に集中できなくなってしまいます。

「うるさいからやめてほしい」という人の意見をまとめると

・ボリボリと噛む音だけでなく、容器に手を入れてガサガサやっている音も気になる。

・ポップコーンだけでなく、氷入りの飲み物をズズズーっと吸う音も迷惑。

・静かなシーンで食べるのはやめてほしい。

 

しかし、トラブルになったら怖いし、そもそも映画館で食べるために販売しているものだし、結局は我慢している人も多いはずです。

 

「飲食禁止にしろとは言わないが何とかならんのかな。」

この一言に全てが現れていると思いませんか?結局、泣き寝入りするしかないのかと。

 

・映画+ポップコーンはセットなので、食べたい。という意見

続いてポップコーンを食べたい人から見た映画館です。

「映画館」という場所はただ映画を見るためだけの場所ではなく、非日常を楽しむ場所でもあります。

チケット売り場にずらっと並んだポップコーンのメニューや、独特の甘ったるい匂いは日常を忘れさせてくれる至福のひと時の入り口でもあります。

また、映画館のポップコーンはコンビニやスーパーなどで売っているものとは味が全然違う。という意見もありました。

ついつい買ってしまう、お祭りの時の綿菓子に近いような存在とも言えそうです。

 

 

結局、映画館での楽しみ方が違うだけ

「ポップコーンを食べるな派」「ポップコーンを食べたい派」

どちらの意見も見てきましたが、

うるさい、うるさくないに留まらず、

ポップコーンを食べるな派の方々は、映画そのもののストーリーなどを楽しむ映画好き。

ポップコーンを食べたい派の方々は、映画そのものだけではなく、映画館で過ごす時間を楽しむ

という違いが見えてきました。

 

映画好きの人にとっては、ポップコーンを食べる「音」だけの問題ではなく、

映画を見るために映画館に来ているので、

そもそも「なぜ映画館に来てまで飲食をする必要があるのか?」という事が理解できないようです。

 

一方、映画館で過ごす時間を楽しむ人にとっては

ポップコーンを食べながら過ごす、至福のひと時」であり、

その過ごし方を他人にとやかく言われたくないようです。

 

あまりにもうるさい時には我慢せずに席移動する

あまりにもうるさい時は、係の人に言ってさっさと席を移動してしまいましょう。

指定席でチケットを買っている時は、他の席に移ってはいけないと思ってしまいがちですが、満席の時は別として、ある程度席が空いている時であれば係の人も案外OKしてくれる場合が多いです。

映画館でチケットを買う時に席の空き具合も見ておくとスムーズですね。

ポップコーンを食べる人と離れられれば、多少はマシになるのではないでしょうか。

 

映画館でポップコーンを食べる時の注意点

ポップコーンを食べたいという人も「ポップコーンは迷惑」と思われていると思うと、食べるのを遠慮してしまい、映画館を楽しめなくなってしまいそうです。

今後は一切、映画館でポップコーンを食べるのは我慢しなくてはいけないのでしょうか。

そもそもポップコーンは映画館で映画を見ながら食べるために販売しているものなので、ある程度周りに気を遣えば、食べてもトラブルにはなりにくいと考えます。

 

まずは、作品のジャンルによって食べるべきかは考えましょう。

推理物や泣ける映画などでは集中したり、感情移入しながら見るものですので少しの物音でも気になってしまう事もあると思います。

そういった映画では、音楽も控えめで静かなシーンも多いですよね。

 

アクション映画や笑いが絶えない映画などでは、見る人も多少気楽に見ている人が多いのでポップコーンを食べる音を気にする事も少ないと思います。

「ドカーン!バーン!ドドドドッ!」などの爆発音や効果音でポップコーンを食べる音なんかはかき消されてしまいます。

 

また、食べるタイミングは映画が始まる前のCMが流れている時、効果音や音楽の音が大きく流れている時など、なるべく食べる音がかき消されるタイミングを狙いましょう。

 

どうしても常に食べていたい場合は、一粒ずつゆっくりと噛んで食べましょう。

一粒づつ口に入れる事で噛む音が静かになると同時に、ポップコーンを取る時にガサガサと容器内で音がするのを抑える効果も期待できます。

 

また、「最後まで食べきる」という事はやめましょう。

ポップコーンは最後の方になると、あまりはじけていないものも多く硬い粒があります。それを口に入れてしまうと、噛んだ時に「ガリっ」と盛大な音がします。

「あ、これはじけてないやつ」と思っても一度口に入れたものを吐き出すのは抵抗ありますよね。「もったいない」と思うなら、映画館を出てから食べれば良いだけの話です。

多くの映画館では、食べきれなかったポップコーンは持ち帰り可能です。

 

「ポップコーンを食べる音がうるさい」と感じる人は、単純に音だけでなく周りに気を遣う事なくボリボリ食べている無神経さも気になるようです。

「気を遣って食べています」という事をアピールできれば、大きなトラブルになる事も避けられるかもしれません。

 

映画館のポップコーンのサイズってなんであんなに大きいの?

映画館で販売しているポップコーンって、やたらと大きいと思いませんか?

私はいつも、「どう考えても一人では食べきれない」と思ってしまいます。

なぜあんなに大きいかと言うと、映画館でポップコーンを食べるようになった歴史と

映画館の収益構造が大きく関係しているのでした。

 

 

映画館でポップコーンを食べるようになった由来

こんなに争いの種になっているポップコーンですが、そもそもどうして映画館でポップコーンなのでしょうか。

実は、アメリカで映画が普及し、人々が映画館で映画を楽しむようになった頃、ポップコーンは映画館への持ち込みを禁止されていました。

理由は2つあります。

1つ目は当時の映画には音声はついてない映像だけのものだったので、音の出る食べ物は非常に嫌がられていました。

2つ目は、当時の映画は全て字幕で、字が読める教養のある人をターゲットにしていたため、ちょっと上流階級っぽくきれいな設備となっていましたので、ポップコーンなどの飲食物で汚されるのを非常に嫌がる映画館が多くあったからです。

 

1927年、音声付きの映画「トーキー映画」が公開されるようになった頃、字が読めない人たちも映画を楽しむ事ができるようになり、一気に映画を見る文化が広がります。

しかし、この頃はまだ映画館で飲食をする事は一般的ではありませんでした。

 

転機は1929年、世界恐慌が起こります。

ポップコーンは原料も比較的手に入りやすく、道行く人たちにとっても安く手に入るちょっとした贅沢品として親しまれるようになってきました。

映画館でも利益を確保するために、ポップコーンの販売を始める所も増えてきます。

それでもポップコーンの販売を行おうとしない映画館はなかなか利益が上がらず、生き残っていくためにはポップコーンの販売を認めるしか道はありませんでした。

こうして、映画館でのポップコーン販売は広く認められ、映画を見ながらポップコーンを食べる事が一般的になったのです。

どうして映画館では他のお菓子ではなく、ポップコーンなのか?

ここで一つの疑問が沸きます。どうして他のお菓子ではなく、ポップコーンなのでしょうか。

アメやキャラメルではダメなのでしょうか。

これにも理由はあります。

単純に、手に入りやすかったから

映画が人々に広まる頃、世界恐慌と第二次世界大戦というとても大きな出来事が起こりました。

特に第二次世界大戦中は、砂糖が手に入りにくくなり、アメもキャラメルもジュースもなかなか手に入らない品物となってきます。

それでも塩味やバター味が一般的だったポップコーンは定番のお菓子となりました。

 

原価が安いから

ポップコーンの原料はコーンです。

大量に手に入る上、製品になるとその体積はコーンの粒と比べて20倍にもなるそうです。

見た目のボリュームからは想像できないほど、必要な原料は少ないです。

そのため、利益をたくさん取りたい映画館にとっては最適なお菓子と言えるでしょう。

 

匂いや音が少ないから

「ポップコーンを食べる音がうるさい」という人もいる中、この理由を挙げるのはどうかしていると思いましたが、

例えば他のお菓子、クッキーやポテトチップスと比べたらどうでしょう。

それと比べると、確かに多少はマシかもしれません・・・。

 

スクリーンに投げつけても害が少ないから

なんとアメリカでは、映画がつまらないとスクリーンに物を投げつける習慣があったそうです。

そのため、投げつけられても害が少なく、掃除がしやすいポップコーンなのだそうです。

由来のところで少し述べましたが、利益が取れるにも関わらずポップコーンを販売しようとしなかった映画館は、ポップコーンを投げられるのが嫌だったのかな。とも思います。

ポップコーン販売は、実は映画館の収入に大きく関わっている。

度々論争が起きているにも関わらず、映画館が飲食物の販売をやめない理由は、収益に大きく関わっているからです。

映画館の収益は主に3つに分けられます。一つずつ見て行きましょう。

1.映画のチケットの販売

タイトルごとに、映画館での取り分が決められます。大体50%~60%くらいが映画館の取り分となります。

1800円のチケットだと大体1000円程度になる計算です。

2.飲食やグッズ販売

実はポップコーンを含め、飲食の利益率は80%程度あります。

大きいサイズで売れればそれだけ利益が大きくなるので、あんなに大きなサイズなのでした。

利益率80%というと、例えばドリンク込で1000円近くのものを買うと、800円が映画館の収入となります。

その他にちょっとしたお土産などを買うと、チケット販売の利益を超える事もあります。

3.広告収入

映画本編の前には、CMが流れる事が多いですね。

こちらからの広告収入となります。一説には、最近はあまり景気が良くないので落ち込んでいるようです。

 

まとめ

ポップコーンを食べてほしくない人、ポップコーンを食べたい人の間には

楽しみ方の違いがある事が分かりました。

また、映画館側から見たら、ポップコーンの販売は利益が大きく、たくさん販売したい事もわかりました。

「食べたい」vs「食べるな」

お互いの主張が対立し、溝は深まる一方のような気がしていましたが、

どちらも映画館を楽しみに来ている」という事は共通しています。

 

「映画に集中できなかった!チケット代返せ!」なんてトラブルも実際には起きています。

せっかく映画を楽しみに来ているのに、こんな事になったらお互い残念ですよね。

 

映画本編が始まる前のCMの時や、映画が終わった後に食べるとか

音が少なくシリアスなシーンではポップコーンを食べないとか

映画好きの間で「暗黙の了解」みたいなものが出来上がってくれば、

お互い楽しく映画を見る事ができるのではないでしょうか。

 

 

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