窓を開けても風がない日は空気の入れ替えができませんね。
また、窓を開けると外がうるさかったり、
もしくは自分家の子供がうるさくて、近所迷惑を気にしたり・・・。
窓を開けずに、換気する方法は無いのでしょうか。
そんな時、ふと気が付いたエアコンのリモコンにある「送風」ボタン。
「これを使えば、外の空気を効率的に取り入れる事ができるんじゃないか!?」
と思いましたが、
結果、エアコンの送風機能では換気はできない事が分かりました。
それでは一体、エアコンの送風機能は何の役にたっているのでしょうか。
調べてみました。
エアコンの送風は空気を循環させるために使う!
それでは送風は何のためについているのでしょうか。
ただ単に風を出すだけなので、
高い場所についているサーキュレーターのようなものと思っていただければOKです。
室内の空気をかき混ぜる事が主な目的ですが、室内の空気をかき混ぜる事による効果がいくつかあります。
体感温度を下げる
部屋の空気は通常、上の方が暖かく、下の方が冷たいです。空気をかき混ぜ、室内を一定の温度にする事で体感温度を多少下げる事もできます。
また、扇風機のように風が体に当たる事で涼しさを感じる事もできます。
冷房の効果を高める
室内の空気をかき混ぜ、温度を均一にする事で、実は冷房の効果も変わってきます。
上の方の空気が暖かいのは先に述べた通りですが、
急に冷房を点けると上の方の暖かい空気を冷やそうとフル稼働してしまいます。
電気代もかさみますし、急激に室温が下がりますので体にも良くないです。
一度空気を循環させた後であれば、フル稼働する時間も抑えられ、室温が急に下がる事も抑える事ができます。
エアコン内のカビを防ぐ
冷房や除湿を使うと、エアコン内部には結露が発生します。
結露が発生したまま運転を止めると、送風口が閉まり、湿気の逃げ場が無くなります。
特に夏場の空気は湿気を多く含んでいるため、運転中は乾く暇がありません。
湿気がエアコン内にこもる事で、カビの発生につながるのですが、
運転を止める前に送風機能を使えば効率的にエアコン内を乾かす事ができます。
30分程度は送風で稼働させておくようにしましょう。
エアコンによっては、冷房や除湿の運転を止めた後、しばらくの間自動的に送風運転に切り替えてくれるものもあります。
「冷房止めたはずなのに、まだ動いてる」と言って、電源を切らないようにしてください。
送風に換気の機能はありません
一般的なエアコンでは室内の空気と外の空気を入れ替える事はありません。
室外機を通して外の空気を吸い込んでいるように勘違いしがちですが、エアコン本体は室内の空気を吸い込み、温度を下げて吐き出しています。
室外機ではエアコン本体が奪った熱をファンの空気を当てて放熱しているだけです。
エアコン本体と室外機の間には熱をやりとりする「冷媒」が循環していますが、空気が出たり入ったりする訳ではありません。
エアコンの送風では、窓を開ける方が良い?
エアコンの送風運転中は窓を開けた方が良いのか。
これは一概には言えません。条件と目的によって効果が異なるからです。
外気温の方が涼しい場合は、窓を開けた方が良い
外の涼しい空気を取り入れたい時は、窓を開けて送風運転をする事で効果的に空気の入れ替えをする事ができます。
特に風がない日の場合は、窓を開けただけでは空気は流れませんので、送風運転は効果ありです。
外気温の方が高い場合は、窓を閉めた方が良い
室内の方が涼しい場合は、外の空気を取り入れずに室内で循環させた方が涼しいです。
窓を開けてしまうと温度の高い空気が入ってきてしまいます。
エアコンの送風では室外機は動かない
エアコンの送風は本体で風を送り出すだけです。
そのため、熱交換器は働きませんので基本的に室外機は動く必要がありません。
室外機が動かないと電気代が安い
室外機が動かず、熱交換器も働きませんので、送風で動いているのはエアコン本体の風を送り出す機能のみです。
そのため、送風の電気代は冷房よりもずっと安く、機種によって多少違いはありますが、
冷房は1時間あたり10~20円程度かかるのに対し、送風は0.3円程と言われています。
なんと!一般的な扇風機と同じ電気代です。
エアコンに送風機能がない時は、温度設定を上げた冷房で代用できる!
送風機能が役に立つ事がわかりましたが、中には送風機能がついていないエアコンもあります。
そんな時は「設定温度MAX(機種によってですが、30℃~32℃)」の冷房で代用できます。
リモコンの設定温度が室温より高い場合は、室内の空気を冷やす必要はないと判断し、自動的に送風運転に切り替わります。
ちゃんと送風機能に切り替わっているか心配であれば、室外機が止まっているかどうかを見れば確かめる事ができます。
換気ができるエアコン、ありました。
換気ができるエアコン、調べてみたらありました。
調べた段階ではダイキンの一部機種のみです。
意外と少なかった。。
これには訳があります。
エアコンに求める機能としては、やはり効率的に温度を調節する事だと思います。
2000年代には、換気ができるエアコンがいろいろなメーカーから登場したものの、
その後、殆どが消えてしまった理由として
「外気を取り入れ、適温に調整し、室内へ送り出す」際の効率の悪さが挙げられます。
例えば、
・外気温32℃
の環境で冷房運転をしているとして、室内の空気と外気がシャットアウトされている場合、運転していると室内の気温はだんだん下がります。
運転を続け、ある程度温度が下がった空気を取り入れ熱交換器で冷やし、室内に送り込む従来のエアコンと比べ、
常に32℃の外気を冷やして室内へ送り込まなければならない換気機能付きのエアコンは、
求められる性能も電気代も比べ物になりません。
そのため、ダイキンの上位機種を残し、殆ど無くなってしまった訳です。
じゃあ、エアコンに換気機能って要らなくない?
そんなに効率悪いのならば、なぜダイキンはエアコンの換気機能を残したのでしょう。
それには2003年の建築基準法改正が大きく関わってきます。
法改正以降に建てられた住宅には1時間で部屋の空気の半分が入れ替えできる換気設備を備えた「24時間換気システム」の設置が義務づけられています。
住宅の性能が上がり、(昔のすきま風だらけの住宅と違い)気密性が高くなってきたので、窓を閉めていても十分に換気ができるようにという配慮なのですが、
大半が換気扇などで外気を取り込むようにしているだけなので、エアコンで室温を管理していても結局暑い外気が入ってきてしまい、家全体で見ると快適性が損なわれてしまいます。
ダイキンでは、エアコン単体の性能だけではなく、家全体で見て快適に過ごせるようにとの設計なんですね。
まとめ
ダイキン以外のエアコンでは、換気機能がない事がわかりました。
また、それはエアコン単体の性能を引き出すための理由です。
一見意味のなさそうな送風機能ですが、上手に使う事で快適に過ごせたり、エアコンのカビを防ぐ事ができたりする事がわかりました。
送風機能を上手に使い、暑い夏を乗り切ってください。