干し柿のおいしい季節ですね。
昔はおばあちゃんの家の軒下にたくさんぶら下がっていましたが、
今となっては高級品ですから腐らせてしまってはもったいないですね。
上手な保存方法と、どのくらい日持ちするのかの保存期間をお伝えします。
干し柿の保存は冷蔵保存がお勧め
干し柿は名前の通り、柿を干したものです。
干してあるのでなんとなく常温でも日持ちしそうですが、
常温で2.3日も放置すれば腐ったりカビが生えたりして食べられなくなってしまいます。
1番良いのは貰ったらすぐに食べてしまう事ですが、なかなか食べきれないですよね。
そこで登場するのが「冷蔵保存」です。
冷蔵庫に保存する事で1週間程度保存する事ができます。
水分が出るとそこからカビが発生する事もありますので
保存する時は1つずつキッチンペーパーか新聞紙等で包み、
チャック付き袋等に入れ、なるべく空気を抜いて密閉するようにしてください。
冷蔵庫の中は乾燥していますのでそのまま置いておくと干し柿が乾燥して固くなってしまいます。
空気を抜くのは乾燥してしまうのを防ぐ意味合いもあります
干し柿の長期保存は冷凍庫で
冷蔵庫での保存中も干し柿は水分が少しずつ抜け、白い粉が吹き固くなっていきます。
しばらく食べる予定がない干し柿は、冷凍庫で保存してしまいましょう。
1番のコツは「空気が入らないように」です。
冷蔵の時とは違い、1つずつ丁寧にラップで包みます。
こうする事で水分の抜けを防ぎ、さらに白い粉が吹く事も抑える事ができます。
干し柿を冷凍する場合の保存期間は?冷凍すると味が落ちる?
冷凍庫で保存した場合、一体どれくらいの期間もつのでしょうか?
上手に冷凍保存すれば半年から1年程度持たせる事ができます。
ただし家庭用の冷凍庫では、固くなり白く変色してくる「冷凍焼け」と呼ばれる現象が起きてきます。
これは冷凍庫の開け閉めにより庫内の温度が上がり
冷凍庫を開ける→表面が溶ける→閉める→溶けた水分が凍る
を繰り返し、水分がどんどん抜けていくためです。
これが
・冷凍すると固くなる
・冷凍すると味が落ちる
と言われる原因となっています。
干し柿の生産工場では冬の間に加工しておき、冷凍保存で1年中出荷しています。
冷凍すると味が落ちるならそんな事はしないですよね。
常温では日持ちするの?保存期間はどれくらい?
元々、干し柿は冬の間の保存食として生まれました。
家の軒下につるしっぱなしにしていましたので、乾燥して固くなっています。
現在の干し柿は柔らかく、食感の良さを追求し水分を多めに仕上げていますので
軒下のたくさんぶら下がっている干し柿とは別物
美味しいおやつ、スイーツとして進化しています。
そのため常温での保存はなるべく避けた方が良さそうです。
また、パッケージに印字されている賞味期限は未開封の状態での話ですので
開封後は当てはまりません。
常温で置いておくとだいたい2、3日もすればカビが生えてきてしまいます。
常温で置いておく場合は直ぐに食べてしまいましょう。
それでも常温で置いておく場合は
・なるべく涼しい場所
・湿気を避ける
・空気に触れないように密閉する
以上3点を守ってください。
冷凍で保存した干し柿を美味しく食べるには?
冷凍させた干し柿は急激に解凍せずに冷蔵庫で一晩かけて溶かしましょう。
こうする事で干し柿の美味しさを保ったまま解凍する事ができます。
常温での解凍は水分によってべちゃっとしてしまう事もありますので
あまりお勧めはしません。
また、ちょっと変わった食べ方としては
冷凍のまま電子レンジで20秒程度温めると
半解凍のシャーベット状になり、普通の干し柿と違った食感を楽しむ事ができます。
まとめ
・干し柿は常温では3日程度が限界
・冷蔵庫では1週間程度
・冷凍は半年から1年程度。ただし冷凍焼けに注意
渋い程甘い!?干し柿の不思議
秋の味覚。甘くて美味しいイメージの柿ですが
実は干し柿に加工する柿はそのまま食べて甘くて美味しい柿ではなく
「渋柿」と呼ばれ、とてもそのままでは渋くて食べる事ができない柿を使います。
甘い柿を干した方が、もっと甘くて美味しい干し柿ができそうですが
どうしてわざわざ渋い柿を使うのでしょうか。
干し柿の渋さの原因 タンニンとは
柿に含まれる渋さの原因は「タンニン」と呼ばれる成分です。
このタンニンが口の中で溶けると渋みを感じるのですが、
柿が熟すにつれて性質が変わり、口の中で溶けにくくなっていきます。
このタンニンが多く含まれるのが渋柿ですが、じつは同時に糖分も多く含まれ
タンニンの渋さに邪魔をされなきれば、本当はとっても甘いんです。
皮をむいて干す事によって
渋さの原因であるタンニンがアセトアルデヒドと結合して、
口の中で溶けない形になるため人の舌で渋みを感じなくなります。
渋みがなくなるのなら、糖分が多く含まれる渋柿の方が干し柿に適しているのは当然の話ですね。
ちなみに渋柿ではない、普通の柿で干し柿を作ったらどうなるのでしょうか。
実は渋柿ではない普通の柿は、干し柿には適さないと言われています。
普通に食べて美味しい柿は、柔らかく水分が多いものですので
干している最中にカビが生えてしまったり、腐ったりしてしまうんですね。
美味しい干し柿は、白い粉付き!?
干し柿をよく見ると、中には白く粉が吹いているものもあります。
あまり見た目がきれいではありませんし
「カビが生えている!?」と思われてしまう事もあります。
この白い粉ですが、もちろんカビではなく、
柿に含まれる糖分が結晶化し、表面に浮いてきたものです。
麦芽糖と言って甘さ控えめな糖ですので舐めても砂糖のように強い甘さはありません。
この白い粉は、時間が経つにつれて増えていくのですが
「白い粉が吹いている干し柿が欲しい」という方もいらっしゃいます。
糖分が結晶化するので「白い粉が多い」という事は「糖分が多く、甘い」という事ですね。